施設長より一言

平成20年度
3月

"巣立ち"

 “富士と筑波の峰清く・・・・”母校の校歌の一節です。3月8日、今年3
度目の日帰りバスツアーに参加してきました。今回は観梅ツアーということで、
日本百名山筑波山の梅林・日本三公園水戸の偕楽園を歩くことができました。
紅白に筑波山の斜面を彩る梅の美しさ、眼下には関東平野の田園風景と早春を
感じ取ることができました。偕楽園は、水戸9代藩主徳川斉昭が造園計画を立
て創設したものです。偕楽園の名称は、中国の古典である「孟子」の「古の人
は民と偕に楽しむ、故に能く楽しむなり」という一節からとったものです。園
内には、3000本の梅の花が咲き誇り、梅の香漂う中での散策となりました。
 3月23日本日より、平成21年度入職の新人職員のオリエンテーションが
始まりました。今年は3名の職員を迎え、例年同様に、大いなる期待に胸をと
きめかせています。さて、私の長男・基紀もこの3月に卒業し、社会人として
のスタートをきります。仕事に追われ、自分のことで精一杯、十分な愛情を注
ぐことができなかったと反省しています。しかし、子供は立派に成長し、巣立
っていきます。今、巣立ちの時に、改めてエールを贈りたい。“夢を持つこと”
“志を持つこと”“行動すること”“継続すること”“あきらめないこと”そして
“ピンチのときこそ笑顔で挨拶を”。私もそうであったように、長い人生、山あ
り谷あり、必ずしも良いことばかりではありません。挫折・涙・怒り・そして
笑い。悔いのない人生を歩んでもらいたいものです。
 3月中旬には、開館50周年になる国立西洋美術館で開催されている、ルー
ヴル美術館展に出かけてきました。17世紀のヨーロッパの絵画71点が集結
しました。絵画には、時代の背景・作者の想いが表現されています。どの絵画
にも感動しますが、今回の作品のなかでは、フェルメールの“レースを編む女”・
ラ・トゥ―ルの“大工ヨセフ”に特に大きな感動をしました。ぜひこの機会に
皆さんも脚を運んではいかがですか。
 園長室の窓の外には満開のハクレン、園庭の桜のつぼみは今にも咲き出さん
ばかりに膨らみ、春本番を待っています。今日は、WBC準決勝。侍ジャパン
はアメリカに見事な勝利。明日は決勝戦、韓国との5度目の決戦に勝利するこ
とを祈るばかりです。

平成20年3月23日
施設長 長岡 均

2月

"遼君PGAツアーデビュー"

 窓の外は雪です。
 「小学生の頃から夢に見ていたPGAツアーが、もうすぐ始まるんですね。18番の大きなギャラリースタンドを見ると実感がわいてきます。」(石川遼君のインタビューより)1992年タイガーウッズが16歳でツアーデビューした同じ舞台。遼君はPGAツアーノーザントラストOPをプレー中です。今は2月20日午前5時40分。私は原稿を書きながら、テレビで遼君を応援しています。
 2月14日、日頃からお世話になっている埼玉福祉専門学校等の主催により開催された、第2回日本の福祉現場力を高める研究大会に出席させていただきました。現場力向上のための研究発表が、5つの専門学校の学生から発表されました。どの発表も興味深く、何よりも学生の柔らかな発想には驚かされるとともに、すばらしい発表でした。私は、ここで何を考えさせられたかというと、このような福祉現場力を高めるべく学んだ人たちが、就職後現場に就き、本来の力を発揮できているのかどうかということです。学生のときに実習で経験したことと、実際の現場とのギャップに悩まされ、本来の力を発揮できずにいる姿を見ることができます。せっかく学んだ彼らの持っている力を現場で生かすことのできるよう、人を育てていくことの大切さを改めて感じています。1ヵ月後には、新たな職員が入職してきます。大きく育つ環境を整え、待ちたいと思います。職員の成長が利用者の幸せに繋がるものと、私は信じています。
 2月16日・17日は、熊谷市で関東地区入所更生部会長会議・研修会が開催されました。2日間にわたり、"入所施設の機能と役割"について学び・話し合うことができました。第1種社会福祉事業は公共性の特に高い・人格の尊厳にかかわる事業と法律に示されています。ハード面・ソフト面・ネットワーク機能をマッチさせ、障害者ばかりでなく、社会の生活セーフティネットの拠点として活動していかなければと考えさせられました。
 テレビの映像には、父勝美さんの姿も見られました。日本のトーナメントでは、多くのファンに囲まれ遠くから遼君のスウィングチェックをしている勝美さんですが、アメリカではすぐ近くから見られるようです。今6時43分、15番以降惜しいチャンスを逃し2オーバーでフィ二ッシュました。2日目以降の健闘を、遠い日本から心より願うばかりです。
 今、思い出しました。今日は、私の52歳の誕生日でした。これで私の原稿もフィ二ッシュです。

平成20年2月20日
施設長 長岡 均

1月

"新しい年を迎え"

 新年明けましておめでとうございます。年が明けもうすぐ一ヶ月が過ぎようとしています。例年にも増して、寒い毎日が続いています。私は、例年同様今年も、元日・2日と出勤し、愛の家で過ごしている利用者とお正月を過ごしました。年々、帰省できない利用者が増えています。開園26年目を迎え,保護者の方々も年を重ねやむを得ぬこととはいえ、寂しさを感じています。
 さて、私は数年前、いやもっと前になるのでしょう。園長より一言の中で、全国色々な寺社に参詣・参拝した様子を紹介しています。いつの頃からか、ライフワークのひとつになっています。いく先々でいただく、御朱印帳もすでに4冊目となっています。今年も3日には、浅草・浅草寺の初詣からのスタートです。その数日後には、今、流行の日帰りバス旅行。成田山新勝寺・香取神宮・鹿島神宮へと出かけてきました。行く先々で、皆の安全・健康をお願いしています。しかし、私の願いとは裏腹に楽しいことばかりではなく、一年のうちには山あり谷ありの日々もあります。2月1日には、川崎大師にお参りにでかけます。今年は、善光寺御開帳の年。7年の歳月はあっという間に過ぎてしまいます。京都にも何回か行きたいものです。私は今年も、自分・皆の幸せを願い、寺社巡りのたびを続けることでしょう。
 昨年の12月には、社会保障審議会障害者部会の報告書が出されました。12月25日には、全国主管課長会議が開催され、来年度の障害者自立支援法の改正・来年度予算についての説明がなされました。利用者に関する変更点は、個別減免のための個人の資産要件が、撤廃されたこと。心身障害者扶養共済給付金については、収入認定から除外することとしたことの2点です。また、特別対策による利用者負担の軽減処置については、21年4月以降も継続して実施する。(延長年限等については検討中)。詳細については別紙の通りとなっています。しかし、障害者自立支援法の抜本的な見直しについては、まだ先は見えないのが私の実感です。
 今年も一年、利用者・保護者・職員が組織を動かす一つ一つの歯車として、欠けることなく、円滑に回転していくことができればと考えています。また、法人の理念"目となれ・耳となれ・手となれ・足となれ・心となれ"を心に留め、全職員がひとつの方向を目指し、行動していきたいと思います。一段のご協力をお願いいたします。

2009年1月23日
施設長 長岡 均

12月

"「源氏物語」を歩く"

 2008年も残りわずかとなりました。熊谷は今日も寒い朝を迎えています。園庭の水たまりには氷が張り、畑は霜で真っ白です。
 11月のある日、Iさんの保護者よりこんな相談を受けました。「Kちゃんと11月の終わりごろに、一緒に旅行に行くので休みをいただけないでしょうか。」私は、「もちろんいいですよ。」と応えました。障害者自立支援法になり、日割り計算になったことで、園に迷惑をかけるのではないかという心遣いだったのでしょう。話を聞くと、息子さんからのプレゼントで家族みんなで旅行に行くということです。京都を中心とした関西への旅行ということです。旅行から帰ったKさんの顔は笑顔に包まれ、本当に楽しいひと時を家族と過ごせた様子が伺えました。京都は紅葉の真っ最中であり、自分も行って見たい気持ちにさせられました。
 12月上旬休みを利用し、京都へ出かけることにしました。今年京都は、源氏物語が世に出て1000年という年を向かえ、「源氏物語」の特別な催しがたくさん開催されました。世界遺産と源氏物語を併せて歩くという旅を計画し、しかも旅費が安いときを狙いました。初日は、レンタル着物に着替え、少しでもタイムスリップしてみようと思い歩いてみました。世界遺産天竜寺、竹林を巡り、野宮神社、清涼寺、境内の木々は赤く色づいていました。夕食は町屋で京のおばんざいを楽しみ、ライトアップされた清水寺へ。ライトアップされた清水寺と紅葉は見事なながめでした。2日目は宇治へ。世界遺産宇治平等院から宇治上神社へ。宇治は当時貴族の別荘地であり、源氏物語の第42帖から第54帖までの、光源氏逝去後の様子が描かれた地です。薫と匂宮を主人公として恋物語が展開され、心のすれ違いが描かれています。"ありと見て手には取られず見ればまた行く方もしらず消えしかげろう"この歌には"もののあわれ"が巧みに表現されているといいます。来年もまた京の地にこられることを願い、2008年のたびは終わりました。
 12月15日"もうやめてよ障害者自立支援法"県民大集会が埼玉会館で開催されました。当園からも、保護者会長をはじめ7名の保護者の方が参加されました。国会議員・県会議員も参加し、それぞれの思いを語っていました。私は係員として、最後のビラ配りを浦和駅で行いましたが、市民の人たちの反応はいまいちで残念でなりません。今日12月25日、全国主幹課長会議が開催され、来年度の向けての説明がなされていますが、とても抜本的な改正は望めません。
 今年も一年、いろいろな事がありましたが、皆様への感謝の気持ちでいっぱいです。来年が本当に良い意味で"変"の年になることを期待しています。皆さんよいお年をお迎え下さい。石川 遼君は年の瀬まで忙しそうです。来年も応援するぞ。

平成20年12月25日
施設長 長岡 均

11月

"芸術の秋"

 私にとって、11月の慌ただしい日々が、数日で終わろうとしています。熊
谷市内の街路樹ケヤキ・イチョウがすっかり色づき、園の周りの木々は落ち葉
へと、冬に向かっています。11月19日、日比谷野外音楽堂での"障害者自立
支援法の抜本的見直し"の大集会でも、日比谷公園の木々は色づいていました
が、どこかもの悲しそうでした。3,000人の人たちが集いましたが、アピール
の内容は自分にとって物足りなく感じ、たくさんの国会議員の方たちの挨拶も
他人事のように感じられ、むなしさのなか帰路につきました。そのなかで、日
本知的障害者福祉協会政策委員長 最上氏の経過報告には真剣な取り組み姿勢
を感じ、共にこれからも頑張っていかなければと改めて自分にいい聞かせてい
ます。
 11月は日帰り・宿泊の会議・研修会と施設を留守にすることが多く、自分
の時間もあまり多くとることができませんでした。しかし、忙しさのなかリフ
レッシュしなければ、満足な仕事はできません。11月6日・7日は札幌での研
修会。研修終了後、小樽へと脚を伸ばし、運河沿いを歩き、小樽へ行くと立ち
寄る幸寿司で厚岸のかき・けいじ・子持ちのしゃこ・そして冬へと向かいうま
みを増していく八角をはじめとする白身の魚と北海道の恵を満喫してきました。
札幌の夜、4月以来の再開となる友人に連れられすすきののバー・ノースに立
ち寄りました。ホテルのバーを思わせる落ち着いた雰囲気の店で、何より店主
をはじめスタッフの皆様の暖かいもてなし、楽しい語らいの中、ときを忘れ楽
しいひと時を過ごすことができました。また行ってみたい店のひとつになりま
した。
 秋といえば。・・・の秋、・・・の秋、私にとっての秋は芸術の秋。上野の森
では多くの特別展が開催されています。今年も作品展を観に足を運びました。
コロー光と追憶の変奏曲では"コローのモナリザ"・フェルメール展では光の天
才画家の多くの作品に出会い、レオナール・フジタ展では幻の連作に心打たれ、
先人たちの残した絵画のすばらしさに感動しました。まだ観たいセザンヌ展・
ピカソ展があり、楽しみにしています。
 11月3日、S君が進行性の肺がんのためにお亡くなりになりました。発見か
ら4ヶ月。支援スタッフの献身的な対応には感謝しています。心よりご冥福を
お祈り申し上げます。これからの日々、利用者の高齢化が進んでいきます。私
たちにどこまでの対応ができるのでしょうか。私自身健康に留意し、できるだ
け長い間、利用者との生活を大切にしていきたいものです。
 12・15埼玉県民集会 もうやめてよ"障害者自立支援法"が埼玉会館大
ホールで開催されます。ぜひ、多くの参加をお願いいたします。

平成20年11月27日
施設長 長岡 均

10月

"緊急集会開催"

天高く馬肥ゆる秋。皆様いかがお過ごしでしょうか。10月7日から8日、恒例である一泊旅行が開催されました。当園を出発、初日は白樺湖を経由し、横谷温泉までの道のり。佐久平の稲穂は、黄金色に色づき稲刈りの真最中でした。
白樺湖ではすでに紅葉が始まり、もみじの赤・アカシアの黄色が緑の中に見事なコントラストを描いていました。蓼科山・美ヶ原高原・八ヶ岳を車窓より望み横谷温泉へ。夕の大宴会では、新人職員の出し物・利用者の皆さんのカラオケと本当に楽しい一夜でした。翌日は、ぶどう狩りを楽しみ帰路へ。信州路・甲斐路をめぐる旅は、楽しい思いでづくりの旅となりました。私は、前週10月3日から4日蓼科に芝刈り(ゴルフ)ときのこ狩に出かけたばかりでした。   天然のきのこを袋いっぱいに採りましたが、きのこ博士に選別していただいたところ3分の2は毒キノコでした。農協の直売所で、数種類のきのこを買い求め帰ってから、きのこ汁をおなかいっぱいにほおばり満足・満足。
 さて、10月16日から17日関東地区種別代表者会議が東京都立川市で開催され、私も参加してきました。塩田厚生労働省元部長の話の中から印象に残ったことをいくつかあげます。障害者自立支援法は、大きな川の流れであり、大きな改正はすぐにはないであろう。今年度においても、優先順位をつけ単価の改正は成されるであろうが、びっくりするような改正はないであろう。今後じっくり時間をかけ、見直し論議が成される。所得保障の見直しと応益・応能負担はリンクし論議される。また新体系移行の延長はない。日割り計算についても障害者自立支援法の基本であり、必要なときに必要なサービスという観点からはずせない
 そのような厚生労働省のスタンスの中、11月19日障害者自立支援法の抜本的見直しを求める緊急集会が、日比谷野外音楽堂で開催されます。5つの主催団体と7つの賛同団体が名を連ねています。障害者福祉は、障害のある人のニーズに応え、生涯にわたり適切な支援を行い、生活の質の向上を図ることにある。障害者自立支援法は、「自立と社会参加」の理念と政策との乖離が著しく、その結果、障害者間差別を招いています。このことは、長年にわたり構築されてきた、障害者福祉の本質をゆがめるものです。"障害のある人、全ての人々が幸せな社会を目指して"
 久々に、石川 遼君の応援にキャノンオープンに行ってきました。父勝美氏と18ホールを歩きました。結果は21位。翌週の日本オープンでは見事2位。すがすがしい笑顔から勇気をもらうことができました。明日は、ブリジストンオープンの応援に行こうと思っています。

平成20年10月24日
施設長 長岡 均

9月

"パラリンピックに考えさせられる"

 すっかり秋の気配。先日23日の空には、きれいなうろこ雲。江南の稲穂も収穫間近の様子。
 オリンピックに続き、北京パラリンピックが開催されました。147の国と地域から約6,500人の選手・役員が参加し、12日間の熱戦は9月17日夜、幕を下ろしました。開会式では、四川大地震で左足を失った少女がバレリーナを演じ、「千手観音」で有名な中国障害者芸術団のダンサーが少女の左足を手の動きで見事に演じていました。この振り付けは日本人が手がけたと聞きました。日本選手団のメダル獲得数は27個と前回を大きく下回ってしまいました。中国はオリンピック同様開催国の威信をかけ、211個とダントツのトップでした。新聞報道等から日本の障害者スポーツに対する支援のあり方について考えさせられました。なぜ、もっと国・企業が本腰を入れて取り組むことができないのだろうか?それぞれの国の障害者福祉に対する姿勢をみることができます。又、毎回繰り返されているクラス分けも大きな問題です。障害を持つ人たちの障害は様々であり、その程度をいかに判断しているのか。我々が直面している障害程度区分判定もしかり。しかし、そのような逆境の中で力を出し切った選手達の幸福感・達成感を笑顔・涙の中から感じ取ることができました。次回、ロンドン大会も楽しみです。
 8月29日、K君の母がお亡くなりになりました。突然の訃報にびっくりさせられました。突然の事故であり、残された家族の気持ちを思うたび本当に残念でなりません。K君は、ベッド脇に遺影をかざり、コップの水を変える毎日です。作業も今まで通りに頑張っています。新聞紙面には、毎日のように様々な事件が報道されています。その中で、刑事責任能力のあるなしが問われます。このようなことがおきる世相・福祉の構造そのものの欠陥であると思えてなりません。心より、ご冥福をお祈りいたします。
 さて、11月19日、日比谷野外音楽堂で大集会が開かれます。「障害者自立支援法の抜本的な改正を」を求め、再び、皆で立ち上がりましょう。今回は5つの団体が主催となります。又、今回も国会請願のための署名をお願いします。主旨をよく理解していただき、集会への参加、署名の協力をできるだけ多くの方にお願い致します。政治状況が不安定の今、日本の福祉はどうなっていくのでしょう。

平成20年9月26日
施設長 長岡 均

8月

"同一ヶ世界 同一ヶ夢想" "ひとつの世界 ひとつの夢"

 立秋・処暑が過ぎ、秋はもうすぐそこまでやってきています。今年も昨年同様、真夏日・猛暑日が例年に比べて多く暑い夏でした。しかし、ここ数日間は、秋の長雨のような日々が続いています。皆さんはどのような夏を過ごしましたか。
 8月8日第29回の夏季五輪が「ひとつの世界 ひとつの夢」をスローガンに開幕しました。24日間にわたり、熱きアスリートたちの戦いが繰り広げられました。国家体育場(愛称・鳥の巣)で開会式は行われ、史上最多の240の国と地域・1万6000人の選手役員が参加しました。開会式は孔子の言葉「朋あり、遠方より来る。また、楽しからずや」で幕が開きました。「国家発揚」を印象付けるマスゲームでは、中国の壮大な歴史・文化絵巻が繰り広げられました。日本選手団は23番目に入場、日の丸と中国国旗を手に笑顔で、さわやかな行進に感じました。五輪イコール「平和の祭典」。スポーツを通じ、ひとつの世界を享受することのできるすばらしいイベントと思います。本当に感動の開会式でした。しかし、その後の報道では開会式での数々の「偽装」が伝えられました。民族衣装に身を包んだ中国内の全56民族の子供たちの大半は漢民族の子供たちでした。口パク・偽装花火など多くの演出は、党中央の指導により決められたことが判明しました。オリンピック憲章では、フェアプレーの精神を想定していますが、本当に残念な気持ちにさせられました。
 日本のメダルは金9、銀6、銅10の計25個で、アテネ大会を下回る数字となりましたが、日本選手団の健闘には大きな拍手を送りたいものです。北島選手をはじめメダリストたちのインタビューを聞き、それぞれの人たちは"自分の力だけではなく、多くの人々に支えられてこの達成があった"と口にしていました。人の絆の大切さを改めて感じました。上野選手等の頑張りにより始めての金メダルに輝いた女子ソフトボールを始め、日本の女性の活躍も見逃せません。一流のアスリートの言葉には重みがあります。上野選手はインタビューの中でこう言っています。「努力は人を裏切らない。自分の目標に向かって頑張り続ければ、結果はついてくる。努力は必ずかなう」。自分自身の感動はインタビューを聞くたび、涙へと代わりました。見習っていかなければと。
 さて、障害者自立支援法は、見直しに向けての作業が行われています。日本知的障害者福祉協会においても、社会保障審議会障害者部会に意見・要望書を提出しています。また、入所更生分科会では、旧法施設の平成24年度以降の経過措置の延長を求めて意見書を提出しています。入所施設の果たしてきた役割・機能は多岐にわたり、新たに求められる社会的使命とともに、その役割はますます増大していくと考えられます。現行の障害者自立支援法の基準との乖離は、非常に大きなものがあります。将来の「地域の施設」として多機能的な役割を果たしていくための重要な時期であり、自分自身の施設も努力していく必要があると考えています。
 最後にうれしい知らせです。昨年本紙面で記事として紹介したゴルフの石川遼君が、関西オープンでプロ転向後、初の優勝を飾りました。遼君の父には、トーナメントの度に"頑張ってください"と応援メールを送っていますが、一年目の優勝自分のことのように本当にうれしく思っています。

平成20年8月25日
施設長 長岡 均

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